この時期の調理形態
ゴックンと飲み込めるポタージュ状にします。つぶつぶがあると飲み込めないので、なめらかにすりつぶしましょう。
この時期に食べられるもの
(1) 穀類
・米 ・食パン ・オートミール ・そうめん ・うどん
・じゃがいも ・さつまいも
(2) たんぱく質性食品
・豆腐 ・しらす干し ・たら、かれいなどの白身魚 ・卵黄
(3) 野菜・果物類
・かぼちゃ ・にんじん ・かぶ ・ほうれん草、小松菜の葉先 ・トマト ・玉ねぎ ・キャベツ
・白菜 ・ブロッコリー ・大根 ・とうもろこし ・なす ・きゅうり ・旬の果物
タイムスケジュール
日中(10時頃又は14時頃)の授乳の時間を離乳食の時間に。まず離乳食を与え、その後母乳・ミルクを飲ませます。嫌がるようなら先に母乳・ミルクを少し飲ませてからトライしてみましょう。
進め方のポイント
- 最初は、母乳・ミルク以外のものを口に入れ、飲み込むこと、味に慣れるのが目標です。赤ちゃんの機嫌や便の状態を見ながら1さじずつから始めましょう。
- 食べやすい穀類、野菜類を2~3さじ食べられるようになったら、たんぱく質性食品を組み合わせて品数を増やしていきます。
- 食べるリズムがついてくる6ヶ月頃から、2回食に進めます。2回目の離乳食は、1回目の食事時刻の次の授乳のときでも、1回あけた後の授乳のとき(10時頃、14時頃、18時頃の2回)でもかまいません。
- 離乳食の後は、母乳・ミルクを十分に飲ませましょう。
この時期の調理形態
舌でつぶせるくらいの豆腐状です。やわらかく煮てみじん切りにしたり、粗くつぶすとよいでしょう。
この時期に食べられるもの(初期の食べられるものにプラスして)
※()は調理方法のポイント
(1) 穀類(かゆ類をすりつぶさずに)
・マカロニ ・里いも ・コーンフレーク
(2) たんぱく質性食品
・納豆 ・高野豆腐 ・卵(卵黄を食べるのに慣れたら) ・ヨーグルト ・粉チーズ
・鮭 ・まぐろ、めかじきなどの赤身魚 ・レバー、鶏肉
(3) 野菜・果物類
・オクラ ・ピーマン ・さやいんげん ・モロヘイヤ ・レタス ・チンゲン菜
・のり(細かくして) ・わかめ(トロトロに煮て)
タイムスケジュール
2回食にして食事のリズムをつけていきます。食事時間は、夜7時前には与えましょう。
進め方のポイント
- 中期は、1日の栄養量の3割くらいを離乳食でとるようになるので、栄養のバランスを考えていきます。(1)穀類、(2)たんぱく質性食品、(3)野菜・果物類の各グループから、バランスよく食材を選んで離乳食を作ります。
- マンネリにならないよう、いろいろな食品や料理で楽しい食体験をさせてあげましょう。
- 毎食手づくりにこだわりすぎると大きな負担になります。家族の食事から薄味のものを取り分けて使う、フリージングを利用する、市販のベビーフードや素材缶詰を利用するなど、手間を工夫してやりくりしましょう。
- 離乳食の後は、母乳・ミルクを十分に飲ませます。
この時期の調理形態
少しずつつぶつぶを大きくして、歯ぐきでつぶせるバナナ状の硬さに。煮くずれるくらいに煮て、スプーンで軽くつぶれるくらいのものを与えます。
この時期に食べられるもの(初期・中期の食べられるものにプラスして)
(1) 穀類
・フランスパン ・中華麺 ・ビーフン ・春雨 ・クラッカー
(2) たんぱく質性食品
・あじ、さば、さんまなどの青魚や缶詰 ・かき、ほたてなどの貝 ・えび、かに ・赤身の豚や牛肉
(3) 野菜・果物類
・ごぼう ・れんこん ・きのこ ・切り干し大根
(4) 油脂類、調味料
・油 ・バター ・マヨネーズ ・ケチャップ ・ごま ・クリームチーズ ・ベーコン
・しょう油 ・味噌 ・砂糖 ・みりん ・塩 ・酢 ・酒
タイムスケジュール
家族と同じ朝・昼・夕の3回食にします。1日の最初1回は軽食程度にして、次第に3回食の形に慣らし、離乳食の時刻を授乳タイムから家族と同じ朝・昼・夕の3回食にしましょう。
進め方のポイント
- 3回食に進めて、一日の基本的なリズムを確立しましょう。赤ちゃんも家族と一緒に食卓を囲めば喜びますが、夜型の大人の生活に赤ちゃんの食事時刻を合わせるのではなく、大人側が「早寝・早起き・規則正しい3食」の健康的な生活を心がけてください。
- 9ヶ月頃(母乳児は6ヶ月頃)になると鉄不足による貧血が増えます。鉄分が豊富な赤身の魚、肉、レバー等を使いましょう。魚や肉は加熱すると固くなり口当たりが悪くなります。すりつぶしたり、とろみをつけて調理しましょう。
- 赤ちゃん専用に離乳食をつくるよりも、家族の食事からの取り分けメニューのほうが手間なく、赤ちゃんも喜びます。ただし、薄味に気を配りましょう。
- 自分で食べたい意欲が芽生えます。持ちやすいものを1品用意してあげましょう。
- 離乳食後の授乳は飲みたいだけあげますが、飲まなくなることもあります。
- 果汁やイオン飲料を水代わりに飲んでいると、食欲がなくなるだけでなくむし歯の原因にもなります。水分補給は水や麦茶で。
この時期の調理形態
歯ぐきでかめる煮込みハンバーグくらいの硬さに。やわらかく煮てあれば、そのまま与えられます。
まだ食べられないもの
食べ物の衛生、味、硬さ、形態などに注意すれば、もうほとんどの食品を使うことができますが、次のものはまだ控えましょう。
・衛生的に心配なもの(特にさしみ等の生ものは鮮度に注意)
・添加物や着色料が多く使われている食品
・濃い(塩辛い)味、辛い味、香辛料のきいたもの
・かみにくいもの(いか、たこ、こんにゃく、硬い肉)
・カフェイン、炭酸、アルコールを含む飲み物
・誤嚥・窒息しやすいもの(もち、こんにゃくゼリー、ミニトマト、ナッツ、ぶどうなど)
タイムスケジュール
朝・昼・夕の規則正しい3回食に。授乳はそろそろ卒業です。おやつは一日1~2回、量と時間を決めて。
進め方のポイント
- 食欲不振などのトラブルは、生活リズムの乱れが原因で起こりやすいものです。この時期に起床→朝食→昼食→夕食→就寝のスケジュールを規則的にして生活リズムを整えることは、一生の健康の基礎になります。
- 家族の食事から上手に取り分けて子ども向きにアレンジしましょう。健康のためには、薄味が基本。家族そろって薄味に慣れるよいチャンスです。
- 「むら食い」「好き嫌い」「ばっかり食い」などがありますが、食べる量は神経質にならないように。1週間を平均しておよその量がとれていればかまいません。食事前にはおなかがすいて、楽しく食べていて、成長しているなら問題ありません。
- 乳臼歯が上下生え始めるこの時期から、噛んですりつぶすことを覚え始めます。さまざまな食材の切り方、調理方法を工夫して、かむ練習ができるように進めます。
- 自分で食べる意欲や経験が必要な時期です。手づかみしたり、スプーン、フォークなどを使うところを見守ったり、手伝ったりしましょう。散らかされるのが気になるなら、いすの下に何か敷くなど、掃除しやすい工夫を。
- 外遊びでメリハリのある生活にしましょう。小食や食欲不振の子にはしっかり空腹感を作るために、食べ過ぎる子には食事以外のことに興味を持たせるために、豊かな遊びの体験がとても大切です。
この時期のおやつ
子どもにとってのおやつは「補食」と「おたのしみ」の意味を持っています。適量は1日に必要とするエネルギー量の10~20%程度です。飲み物と子ども用菓子などを組み合わせてあげましょう。食事で十分栄養がとれないときは、ごはん、パン、いも類、ヨーグルトなどの乳製品、果物などにします。おやつをダラダラ与えると、食欲不振になるので時間を決めて。牛乳やジュースやイオン飲料も量を決めて、水分補給は基本的に水かお茶にしましょう。
離乳期は大人に「食べさせてもらう」ことが基本でしたが、幼児期は「自分で食べる」ようになります。手づかみ食べからスプーンやフォークなど食べるための道具もやがて使えるようになります。そして、食べ物の形態も離乳食は同じ大きさに揃えたりとろみをつけていたものが、幼児食はいろいろな形や味などで変化を加えることにより食べる意欲が養われます。
また、「楽しく食べる」ことは食育の原点です。食べることから生活に喜びや豊かさを感じることです。食事は子どもにとって最も身近な親子のふれあいの場です。毎日の食事から心の安定を得て、子どものからだと心を育てましょう。