チェリーテラスの食とレシピ

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二十四節気の食材とレシピ「雨水」

まだまだ気温の低い日は続いていますが、季節は雨水。降り続いていた雪が雨へと変わり、雪解け水で大地が潤い始める頃です。春の訪れはもう間近…ここから三寒四温を繰り返しながら、春へと向かっていきます。心まで温めてくれるようなポカポカとした春の暖かさが待ち遠しいですね。
スギ花粉の花粉症をお持ちの方には辛い季節がやってきます。免疫力を高めることは、感染症予防だけではなく、花粉症の症状の緩和にも繋がります。体内の免疫細胞の70%は腸内に存在すると言われています。腸内環境を整える食事を意識するとよいでしょう。腸内環境といえば、ヨーグルトやぬか漬け、キムチなどの発酵食品に含まれる乳酸菌が連想されますが、これらは腸内の善玉菌の一種です。善玉菌を摂り、そのエサとなる水溶性の食物繊維を多く含むきのこや海藻、野菜、豆類を一緒に摂れるといいですね。

新玉ねぎ

早春から初夏にかけて出回る新玉ねぎ。年中出回っている玉ねぎは、乾燥させて貯蔵性を高めていますが、新玉ねぎは収穫後すぐに出荷されるため、水分が多く、辛味が弱いのが特徴です。生でも食べやすく、薄くスライスしてサラダや和え物にしたり、生魚と一緒に食べたり、大きいままオーブンで焼いたりして、メインの野菜として活躍します。新玉ねぎでも品種によって食味が異なり、甘味の強い品種がよい場合は、「サラダ玉ねぎ」「ホワイトオニオン」として売られているものを選ぶとよいでしょう。また表面にツヤがあり、ずっしりと重みを感じるものがおすすめです。
玉ねぎの香りは硫化アリルによるもので、硫化アリルは血栓を溶かし、血液の循環をよくすると言われています。水にさらしたり、加熱したりすると溶け出てしまうため、生食でき、辛味の弱い新玉ねぎは硫化アリルを効率よく摂ることができます。玉ねぎは水にさらすことで、たんぱく質やカリウム、ビタミンCも減ってしまうため、さらし過ぎないようにすると良いでしょう。また、玉ねぎには腸内の善玉菌のエサとなるオリゴ糖も多く含まれているため、腸内環境を整える食材としてもオススメです。

オリーブオイルと塩だけでも十分美味しくいただけます。

セロリ

独特の爽やかな香りと鮮やかな黄緑色が春らしさを感じさせてくれるセロリ。
茎の部分を薄くスライスし、サラダや浅漬けにすると、香りと食感を楽しむことができます。葉の部分はコンソメスープやミネストローネに入れると、一気に味わい深くなります。また、スムージーの材料としてもオススメ。香り高く飲みやすいグリーンスムージーを作ることができ、香りが気持ちを落ち着かせてくれます。
濃い緑色の葉の部分には体内でビタミンAとして働くβカロテンが多く含まれています。ビタミンAは粘膜の健康維持を助けるため、感染症予防や花粉症の症状の緩和のために積極的に摂りたい栄養素の一つです。オリーブオイルなどの油で炒めると吸収がよくなります。
選ぶ際は、葉にツヤとハリがあり黄ばみがないもの、茎は白くて太く、筋がくっきりとでていてるものが新鮮で良いでしょう。

のり

寒い時期に旬を迎える海苔。この時期の海苔は「新海苔」と言われ、柔らかく、香りがよく、色が濃いため贈答用としても重宝されています。
海苔の40%以上はたんぱく質、36%は食物繊維であり、鉄やカルシウムをはじめとする各種ミネラルやビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群といったビタミンも豊富に含まれています。ゆっくり朝食を食べる時間がなくても、おにぎりに海苔を巻いて食べるだけで多くの栄養素を摂ることができます。
実際に塩おむすびとの栄養価を比較すると、カロリーはほぼ同じであるのに対し、カリウムは約2.3倍、カルシウムは約2.4倍摂る事ができます。また、ビタミンA、ビタミンCは塩おむすびですと全く摂取することができませんが、海苔を巻くだけで栄養をしっかりプラスすることができます。
食事をすると胃腸が働き、熱が作られるため、体温が上がります。体温を上げることは免疫力を高めると言われています。3食しっかり栄養のあるものを食べ、病気に負けない体づくりをしましょう。

はまぐり

桃の節句のお祝いに欠かせない食材としてこの時期、店頭で見掛けることも多いのではないでしょうか。はまぐりは殻を外すと他に合うものが二つとしてないことから良縁に恵まれますようにという願いを込めてお祝い事のお吸い物によく使われています。
はまぐりには鉄や亜鉛、カルシウム、マグネシウムといったミネラルが豊富に含まれており、コレステロールの低下、高血圧の予防、肝機能を高めるなどの効果が期待されているタウリンも含まれています。御馳走の並ぶお祝い事の締めにはピッタリの食材ですね。
共に春に旬を迎える鯛や菜の花を使用した「白身魚とはまぐりの包み焼き」は、たんぱく質やビタミン類をしっかり摂る事ができ、季節を愉しめる嬉しいメニューです。
暖かくなる産卵期前までのはまぐりは味も良いと言われています。汁物や焼き物にして中までしっかり火を通して食べましょう。

ひらめ

高たんぱく、低脂質のひらめ。寒い時期のひらめは「寒平目(かんびらめ)」と呼ばれ、肉厚で脂が乗っていますが、暖かくなり産卵期を迎えると極端に味が落ちると言われています。養殖のひらめも年中出回っていますが、季節によって味わいが違う天然ものの美味しさを味わってみてはいかがでしょうか。寒い日には、薄く切ったものをしゃぶしゃぶにしたり、ご飯の上にのせ、だし茶漬けにして食べるのがオススメです。
たんぱく質が豊富な食材には、油やだしのうま味を加えると、さらに美味しく仕上がります。「ひらめの昆布じめ風カルパッチョ」は、ラウデミオと昆布のうま味が加わり、ひらめの味わいを引き立ててくれます。1食で摂取したいたんぱく質と、たんぱく質を体の中で消化していく際に必要なビタミンB₆をしっかりと摂る事ができるのも、嬉しいポイントです。

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)