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二十四節気の食材とレシピ「小寒」

手作りきりたんぽ鍋

新年を迎え、暦の上では小寒。小寒とは「寒の入り」、寒さが一段と厳しくなり、冷たい風が身に凍み、体の芯から冷え切ってしまう季節になりました。

七十二候の初候は、春の七草の一種であるせりが盛んに育つ頃ともいわれています。年末年始で普段よりも食事量や飲酒量が増えたという方は、胃腸を休める意味でも春の七草を使った七草粥はオススメです。すずな(かぶ)やすずしろ(大根)だけでも消化酵素が含まれているため、消化を助けてくれます。

お好みによって入れる食材や味付けを変えるてみるのもよいでしょう。

ごぼう

この時期は煮物や、たたきごぼうなどで、目にする機会が多くなるごぼうですが、細く、長く成長し、力強く根付くことから、延命長寿や家族の安泰を意味するものとして縁起のよい食材の一つとなっています。寒い時期のごぼうはより一層、食感がよく、香り高くなるのが特徴です。

ごぼうを調理する際、ピーラーで皮を剥いたり、切ったものを水にさらしたりする方も多いのではないでしょうか。しかし、皮を剥いたり、水にさらしたりしてしまうと、ごぼうに含まれるポリフェノールの一種であり、強い抗酸化作用があるといわれているクロロゲン酸を一緒に捨ててしまうことになります。皮はたわしやスポンジ、丸めたアルミホイルなどで優しくこする程度にしましょう。苦味やエグみなどのもととなる成分であるサポニンもコレステロールの低下の効果もあるといわれていますので、水にさらし過ぎずに切った後はすぐに加熱すると、変色も気にならずに調理できます。

旨味の強いごぼうはささがきにして鍋に入れると、一味違った鍋料理になり、沢山の量を食べることができます。また、和のお料理に使われることの多いごぼうですが、牛乳や粉チーズなどの乳製品とも相性が良く、ポタージュなど洋風に仕立てるのもおすすめです。最近はあらいごぼうが多く出回っていますが、土つきの方が乾燥を防ぐためおすすめ。真っすぐしっかりとした硬さがあり、ひげがたくさん出ていないものを選びましょう。

春菊

独特の香りや苦味が特徴的な春菊ですが、小さい頃は苦手だったという方も多いのではないでしょうか。この香りや苦味は加熱することによって、細胞が壊され、そこから香り成分や苦味の素であるポリフェノールが流出し、強く感じられるようになります。そのため、春菊といえば鍋物のイメージがありますが、香りや苦味が苦手という方は、生のままサラダにすると、えぐみもなく、食べやすくなります。今回のレシピのように生のままミキサーにかけてドレッシングに仕立てると、オリーブオイルやバルサミコ酢の香りも加わるため、食べやすくおすすめです。

また、春菊は野菜の中でも栄養価が高く、体内でビタミンAとして働くβ-カロテンや骨の健康に必要なビタミンKといった油に溶けやすいビタミンが豊富に含まれているため、油を加えて混ぜ合わせるドレッシングにすると、これらの栄養素の吸収が良くなります

このほか、油でサッと炒めるのもおすすめの調理法です。この季節、喉や鼻の粘膜を守るためにも、ぜひお召し上がりいただきたい食材です。春菊は、茎がしっかりとしており葉先まで緑であることがポイント。ギザギサが深いと香りが強く、丸っぽくなると香りが穏やかになります。

せり

春の七草の一つであるせり。これから春先にかけて旬を迎えます。秋田県の郷土料理であるきりたんぽ鍋には欠かせない野菜であり、根っこの付いたまま鍋に入れるのが主流となっています。香りが強く、食感がシャキシャキとしているため、サッと湯がいたものを和え物やお浸し、ナムルなどにして食べると美味しく頂けます。

せりは、野菜の中でも鉄や葉酸の含有量が多く、貧血気味の方にはオススメの野菜 です。免疫力を高めるためには、血液の流れも重要です。鉄分が不足していると、酸素を隅々まではこぶことができず、免疫力も低下しがちになります。ビ タミンCも含まれているセリは鉄分も吸収しやすくおすすめです。 鍋は野菜の量をたくさん摂る事ができ、入れる具材によって不足しがちな栄養素をまんべんなく補うことができます。寒さが本格化し体調を崩しやすい冬に、特にオススメな体に嬉しいレシピです。

おいしいセリの見分け方は、葉がみずみずしいものを選ぶとよいでしょう。葉先がしなびていたり、葉が黄色がかっているものも、茎が柔らかいものは鮮度が落ちている可能性が高いといえます。

芽キャベツ

芽キャベツはキャベツの若芽と思われがちですが、実は全くの別物。大きな葉の付け根にできた脇芽が結球したもので、1本の茎に50個程の芽 キャベツができます。栄養素はキャベツと比較すると、食物繊維は約2倍、喉や鼻の粘膜を守るために必要なβ‐カロテンは約1.5倍、ビタミンCは約3倍芽キャベツの方が多く含まれています。一方でキャベツよりもアクが強いため、生のまま食べるよりも、スープやシチューに丸ごと入れると美味しく、見た目も可愛く仕上がります。サラダや炒め物にする際は、芯の部分に十字に切り込みを入れる、または半分に切り、下茹でしてから使うと食べやすくなります。

芽キャベツは暖かくなると、きれいに結球しなくなるため、寒い季節限定の野菜です。使うだけで普段とは違った雰囲気の料理になりそうですね。ぜひこの季節に、試してみてはいかがでしょうか。

芽キャベツの選び方で注目するのは、切り口と葉先の色。切り口が黒く変色をしているもの、葉先が黄色く乾燥しているものは、鮮度が落ちているので注意しましょう。

ケール

ケールといえば青汁やスムージーを連想し、何となく体に良い苦い野菜といったイメージをお持ちではないでしょうか。確かに栄養価は高く、カルシウム、ビタミンK、葉酸、ビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスです。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるといわれているため、肌が乾燥しやすく、感染症の流行するこの時期には積極的に摂りたい栄養素です。ビタミンやミネラルが不足しがちな方の栄養を効率よく補うには青汁やスムージもオススメです。

ただこの時期は、寒さに加え、冷たい飲み物をたくさん飲んでしまうと、体が冷えてしまいます。今回のレシピはホットスムージ―のため、体を内から温めながら、毎日摂取したい栄養素をしっかりととる事ができ、おすすめです。その他、スムージーに生姜やシナモン、リンゴなど体を温める食材を使うのもよいでしょう。また、最近売られているケールは生のまま刻み、キャベツと同じような感覚でサラダにしたり、にんにくやベーコンなどと一緒に油で炒めたりしても美味しく 食べられます。食生活に取り入れやすい食べ方を見つけられるといいですね。

ケールは調理法によって選び方が変わります。スムージーなどは、葉が大きくしっかりしているもの、調理に使用する場合は、大きくないもので柔らかいものを選ぶとよいでしょう。

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)