ピーマンの語源は、大型で甘味のある唐辛子をフランス語でpiment(ピマン)と呼んでいたことから、ピーマンになりました。ピーマンは緑黄色野菜の仲間。緑黄色野菜は「可食部100g当たりのカロテン含量が600μg以上の野菜」という基準が厚生労働省により決められています。しかしピーマンは、400μg//100gであっても食べる回数や量が多いため、緑黄色野菜に分類されているのです。しっかりと栄養素が摂れる野菜でありながら、「子供が嫌いな野菜」アンケートでは上位にきます。理由は「ピーマンは苦いから」「ピーマンは青臭いから」という答えが多く返ってきます。
牛肉とピーマンのバルサミコ炒め
ピーマンの苦み成分は、ポリフェノール類の「クエルシトリン」です。クエルシトリンには特別強い苦みはないのですが、クエルシトリンの苦みとピーマンに含まれている「ピラジン」という香り成分を一緒に感じることで、脳の中でピーマン特有の苦みと青臭さを感じているのです。一方でこの独特の「苦み」と「青臭さ」は調理によって少なくすることができるのです。ピーマンの細胞は縦に並んでいるので、ピーマンを縦方向に切るのがおすすめ。成分が流出しにくいため苦みを感じにくくなり、歯ごたえも残ります。またクエルシトリンは脂溶性成分であることから、油通しや炒めることで苦みが少なくなると考えられます。「牛肉とピーマンのバルサミコ炒め」は、ピーマンを縦にきることから、苦みを感じにくく、また6年間しっかり熟成させたバルサミコ、バルサモ・ディヴィーノと醤油が美味しさを引き立てます。またピーマンはヘタが五角形と六角形のものがあります。六角形のヘタを持つピーマンは糖度が高いため苦みを感じにくいともいわれています。店頭で探してみるのも一つですね。
特製ドライカレー
またピーマンは、種やワタの部分も食べられるって知っていましたか?ピーマンの種は機能性成分でもあり辛味成分の「カプサイシン」や香り成分の「ピラジン」が含まれているため、ピーマンを炒めたり焼いたりすると、香ばしい香りを放ちます。また抗酸化作用を持つビタミンCと骨と血液の健康を維持するカルシウムも豊富で、ピーマンの種100g当たりにはビタミンCが120mg、カルシウムが43mg含まれていることが報告されています。ただ栄養価があるといっても、ピーマンの種はそのまま食べると苦くて硬く感じられますが、調理によって美味しくいただくことができるのです。種を含んだままピーマンを炒めると、種がほんのりと香ばしくなり、カリッとした食感を楽しむことができます。
「特製ドライカレー」は、玉ねぎ、ピーマンのみじん切りがたっぷり入ったドライカレー。種やワタを含むピーマンのみじん切りやたまねぎもバーミックス・スライシーがあれば簡単につくることができ、ピーマンの香りを上手に楽しむことができます。
ピーマンのアグロドルチェ
またピーマンの種を取り除かずにスープに加えてゆっくりと煮込むと柔らかくなります。「ピーマンのアグロドルチェ」はいかがでしょうか。イタリア・シチリアの伝統料理でアグロ(agro)は「酸っぱい」、ドルチェ(dolce)は「甘い」、つまり甘酸っぱい料理のことを指します。サンジュリアーノマーマレード、ディヴィーノ、ラウデミオを加えて加熱することで、旨味たっぷりのピーマンに仕上がります。もちろん種のやわらかさをたのしむことができます。ワイン片手につまむのもよし、肉料理に添えるのもよし。ぜひお試しください!