チェリーテラスの食とレシピ

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旬の食材を食べつくす「大根」

「大根どきの医者いらず」「大根役者」などという言葉はご存じですか?「大根どきの医者いらず」は大根の収穫時にはみんな健康になり、医者がいらなくなるという意味です。「大根役者」は消化のよい大根を食べても、食あたりすることがないことから、平凡であたらない(うけない)役者をこう呼ぶようになりました。このように大根は昔から消化を助ける体によい野菜と考えられてきたのです。最近では、中まで真っ赤な大根や、緑色、紫色など、カラフルな大根も見かけるようになりました。そんな大根は、色や食べる部位によって栄養も大きく変わります。

 一般的に食べられている大根は根の部分。ビタミンCをはじめカリウムなどの栄養素を含んでいます。中でも注目する成分は2つ。1つめは、消化酵素が豊富に含まれていることがあげられます。大根おろしが色々な料理に添えられるのは消化を助ける働きがあるからです。糖質を分解する酵素「アミラーゼ」は胃もたれや胸焼けの予防に役立ちます。お餅にそえたり、おろしそばなど理にかなった食べ方ですね。たんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」はたんぱく質を分解する働きがあるので、肉や魚を大根おろしに漬けておくと、加熱してもやわらかく調理できます。脂質を分解する酵素「リパーゼ」は、ステーキや天ぷらなどのあぶらっこい料理に大根おろしを添えられていますね。消化を促す酵素をもつ野菜や果物は多くありますが、糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素を全てに助ける野菜は少ないため、まさに自然の胃腸薬ともいえるでしょう。ただし、熱に弱いことから、生で摂取することが重要です。大根おろしや大根サラダはおすすめです。そしてもう1つの機能性が「イソチオシアネート」。大根の辛味成分でもあり、抗酸化作用をもつ成分でもあり、大根に含まれる「ミロシナーゼ」という分解酵素と混じりあうことにより辛み成分が引き出されます。
この辛味成分は部位によっても異なるのです。葉に近いところは少なく、先の細いところにいくにしたがって、辛味が増します。このような特性から、大根は部位によっておすすめの料理があります。

上部

大根とサラミのサラダ

上の部分は、甘みがありみずみずしさを味わうことができ、サラダや和え物におすすめです。「大根とサラミのサラダ」はバーミックスを使用したヘルシーマヨネーズで作る簡単サラダ。意外な取り合わせですが、彩りよくおもてなし料理の一品にもなります。

中央

ふろふき大根

真ん中の部分は、甘みと辛みのバランスがよく、煮物におすすめの部位。寒い冬にはほくほくの「ふろふき大根」は如何でしょうか。大根はクリステル鍋でじっくりやわらかく火を入れます。バーミックス(グラインダー)ですったすりたてのごまを使ったごまみそ、肉みそなど、好みの練りみそで熱々をお楽しみいただけます。

先端

和風ハンバーグ

先端の部分は辛みがあって筋っぽい食感。まさに大根おろしがぴったりな部位です。大根おろしがのった「和風ハンバーグ」は大根おろしの他、玉ねぎを刻む、肉を挽く、材料を混ぜるなどバーミックスを活用すればより手軽に楽しむことができます。また、バーミックス(スライシー/チョッピングナイフ)で肉を挽くと、好みの細かさに調節できたり、挽きたてのおいしさを楽しめたり。ぜひお試しください。

大根の皮のきんぴら

剥いた皮も是非活用したいもの。大根の皮には食物繊維が豊富にふくまれています。「大根の皮のきんぴら」は皮もあますことなく食べられる一品。クリステル浅鍋を使って、手早く、少ない油で炒めれば、材料から余分な水分が出てしまうこともなく、食感よく仕上がります。

大根の皮のきんぴら

大根の葉とじゃこのふりかけ

一番栄養があるのは葉の部分。カロテンをはじめビタミンC・E、K、葉酸といったビタミンが含まれています。これらのビタミンは油との相性がよい栄養素。大根の葉の独特なくせが苦手な人は、じゃこやゴマなど風味のある食材と炒めて、「大根の葉とじゃこのふりかけ」はいかがでしょうか。冷凍保存もできます。

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そしてもう一つ、大根を乾燥させた保存食の切干大根。カリウム・カルシウム・食物繊維など、生とは比較にならないほどの栄養素が含まれています。切干大根といえば、煮物のイメージが強い食べ物ではありますが、サラダにも炊き込みごはんにも使用することができます。普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法をローリングストックという防災食のこと。ローリングストックのポイントは、日常生活で消費しながら備蓄することです。消費と購入を繰り返すことで、備蓄品の鮮度を保ち、いざという時にも日常生活に近い食生活を送ることができるはずです。

ツナ、切り干し大根、ひじきの炊き込みごはん

そんなローリングストックとしておすすめな食材のツナ、切干大根、ひじきを使用して「炊き込みごはん」のご紹介をします。キッチンばさみで切干大根を切ってしまい、ツナ、ひじきを加えて作ります。切干大根を戻す必要もなく、大根の風味とツナの旨味を楽しむことができます。