初秋。暦の上では8月7日を過ぎると秋です。
まだまだ厳しい暑さが残っていますが、ふと空を見上げたりすると秋の気配を感じ、心の中にも秋の声が響いてきます。
季節の移り変わりは、私たちの身体と密接な関係があります。『黄帝内経素問』四氣調神大論篇第二によると、夏は「蕃秀(ばんしゅう)」と記載されています。つまり、夏の陽差しが光合成を促し、草がおいしげる時期という事です。子供たちも背が伸びる時期です。暑さは、発汗させ熱を放出し涼をとり、心拍数も増え心を傷つけやすくなります。そんな時を超え、体は夏の暑さで元気や体液を消耗し、バテぎみではないですか。
収穫を楽しみ消耗した体に元気を取り戻す季節「秋」がやってきています。この美味しい季節の楽しみを逃さないように、お腹を冷やさないようにしてしっかり今の自然の恵みからの力をかり、もう少しこの暑さと上手にお付き合いしながら、本格的な秋を迎えましょう。それには、暑邪によって消耗した気を補い、滋陰・生津(体液を補う)作用のある食材をしっかり取り入れて、美味しく残暑を乗り切りましょう。
夏野菜とじゃがいものバイヨンソース エストラゴン風味(健脾和胃)
野菜で胃腸の働きを活発にし、夏に消耗した体液も補う一品です。
食材 | 性味 | 帰経 | 効能 |
オクラ | 甘苦/平 | 腎脾胃 | 補虚損 健脾 滋陰 生津 潤腸 通便 |
いんげん | 甘淡/平 | 脾胃 | 健脾・滋養 利水消腫 |
じゃが芋 | 甘/平 | 胃大腸 | 和胃 調中 補気 健脾 |
卵黄 | 甘/平 | 心腎 | 滋陰 養血 潤燥 熄風 健脾 和胃 |
エストラゴン(フレンチタラゴン)
「古代から各地で、しゃっくり、寄生虫病、消化不良、リウマチ、食欲不振、月経不順、水分貯留の治療に使われた」
ポークソテー ぶどうと茗荷のソース(補気養血・消腫)
消化力を促進しながら、暑さで消耗している、気と体液をしっかり補いましょう。
それには、滋陰の作用のある豚肉がお勧めです。
食材 | 性味 | 帰経 | 効能 |
豚肉 | 甘鹹/平 | 脾胃腎 | 滋陰 補腎 潤燥 益気 養血 消腫 |
ぶどう葡萄酒 | 甘酸/平 | 肺脾腎 | 補益気血 暖胃健脾 滋養肝腎 解毒 活血益気 消食・健胃 強腎 活血 舒筋活絡 |
茗荷 | 苦甘/寒 | 活血調経 清熱解毒・消腫 理気止痛 |
ブルーと白のマーブルゼリー パイナップル添え(解暑・活血)
【食欲のない時に、蒸し暑さから体を守る】
食欲のない時に、暑さから体を守るココナッツとパイナップル。そして、強い陽差しは目にダメージを与えがちです。
そんな時に涼しげなブルーのアントシアニンが助けてとなってくれるでしょう。
食材 | 性味 | 帰経 | 効能 |
バタフライピー | アントシアニン | ||
ココナッツミルク | 甘/平 | 補気健脾 利尿 清熱生津 解暑 | |
パイナップル | 甘微渋/平 | 肺胃 | 清熱解暑 解渇 清熱利水 補腎 消食利水 |