チェリーテラスの食とレシピ

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【堤人美さん】おかゆを朝の始まりに。

暑くなるこれからの季節、冷房や冷たいものでからだの芯は冷えがち。そんな時、おすすめしたいのが『おかゆ』です。からだに優しく、胃腸に負担をかけず、素早くエネルギーになるので朝に食べるのが特におすすめ。胃腸が温まって、からだの冷えがとれ、自然と日ごろの不調がなくなります。もし、なんとなく不調だなと感じていたら1度朝おかゆを始めてみることをおすすめします。
私はいつも1度にたっぷり作り1食分ずつを冷凍ストックしていて、軽く解凍後、鍋に水とおかゆを加え温める。という朝おかゆを食べています。おかゆには季節の野菜とたんぱく質を加え、簡単に薬味になるようなものを添えると格段におかゆ生活は豊かになります。
幼いころの我が家の朝食は毎日、おかゆと決まっていました。ほとんどの人にはびっくりされるのですが、それは私にとって、とても当たり前だったので、みんながトーストを食べるように、母や祖母が炊くおかゆを食べていたのでした。時々、朝起きて支度をしている時にもキッチンからおかゆの炊ける香りが漂うと朝ごはんの時間だと思ったものです。
『おかゆを炊くこと』それは我が家では習慣に過ぎず、いまさらながらに書くと少し気恥しい気さえもします。

日々、おかゆを炊く鍋は長年愛用しているクリステル。土鍋ではありません。
普段づかいながらしっかりと厚みのあるクリステルだからこそ、ふっくらと花がさいたように炊き上がります。湯を沸かしたら浸水させた米を加え煮立て、そのまま蓋を少しずらして20分。
弱火でゆっくりと、でもたった20分で炊きあがります。混ぜなきゃ、なんて考えないで。時々ゆっくりと底から混ぜるくらいにすれば粘りのないさらりと美しいおかゆのできあがりです。焦げ付く心配もないのは厚みのあるクリステルだからこそ。
お手入れも簡単で普段のスープを作るような感覚で作れて、しかも厚みがある鍋だから。ふっくらと甘いお米本来の味わいも十分引き出される。
大人になりおかゆ生活を続けられるのも実は簡単に炊くことができるこの鍋があるからです。
私とクリステルの出会いはこの仕事のアシスタントを始めた20代。
料理番組の裏方をしながら多くの先生のアシスタントをしていたそのころ、私の憧れはやはり一線でご活躍される料理家の方々でした。先生方のお宅に伺うたびどこに行っても必ずその憧れとともにあったクリステル。自分自身の変わらない料理への思いとともに。

白かゆに添えたい小さなひとしな

明太子柚子胡椒オリーブオイル

明太子と柚子胡椒とラウデミオ。この組み合わせはコクのある明太子にピリッとひきしまる柚子胡椒、そしてラウデミオの香りでフレッシュさを併せ持ちナッツを思わせる味わい。とりわけ、おかゆにオイルはとてもよく合うからぜひラウデミオだけでも一たらししてみてください。

そしてもう一つの私のおすすめは香味野菜をバルサモ・ビアンコで和えたもの。香味野菜はハーブでも季節の野菜でも何種でも。できればセロリやピーマンなどの香り野菜を少したします。野菜の弾けるような鮮烈な香りにバルサモ・ビアンコの甘み、柔らかい酸味をまとわせれば、白かゆだけでなく、夏中役立つひとしなになり、麺にも刺身にもどんなおかゆにも合わせることができます。

【朝のおかゆ】そら豆ともち麦のささみがゆ

そら豆とささみを加え鶏肉のうま味十分に頂く初夏の朝おかゆ。もち麦やそら豆には食物繊維が豊富なので朝食に摂ると血糖値上昇を抑えるセカンドミール効果もあります。このささみとそら豆の組み合わせにはラウデミオとレモンをひとしぼり!

例えばピラフやパスタで何気なく使うラウデミオ。そしてレモン。同様に考えれば必ず合うはずで、味を変化させながら食べるのも楽しみのひとつです。もし季節を変えて食べるなら、長芋、ゆりね、さつまいもなどもおすすめ。どれもすっきりとした塩味に仕立て、ラウデミオとレモンがとてもよく合う組み合わせ。ディルなどのハーブを散らしてもいいでしょう。

【夜のおかゆ】コーンと青唐辛子の夏のおかゆ

コーンと青唐辛子の夏のおかゆ

夏になると何度となく作るのがとうもろこしと青唐辛子のおかゆ。具材を先に炒めて作るのでうま味が十分に水分にいきわたります。柔らかいおかゆにはシャキッとしたとうもろこしがおすすめ。後から入れて食感の差を楽しみます。味付けはしょうゆ麹で。もちろんしょうゆ麹がなければしょうゆでもできますから、加減を見ながら加えてください。しょうゆ麹はしょうゆと麹を同割で混ぜて数日おいただけので簡単な調味料ですがオイルとの相性がよく夏向きの料理にむいているのでいつも冷蔵庫にストックしています。

これに合わせるのが火にかける必要のないアグロドルチェ風の玉ねぎ。バルサモ・ティヴィーノとはちみつ、塩を合わせてしんなりとするまでおくだけなのに、この青唐辛子がピリッと効いたおかゆに合わせると野菜たっぷりのサラダを思わせるおかゆになり、おかゆ自体が立派な1品になります。

【夜のおかゆ】ベビーコーンとにんじんのおかゆ

ベビーコーン、にんじんのおかゆ

最後は小さく切った韓国の家庭のようなおかゆを。野菜を小さく五穀米の大きさに切って、栄養たっぷりに作ります。ズッキーニやにんじんを加えていますが、季節によって大根やごぼう、れんこんなどに変えても大丈夫。そんな決められたものでない自由な発想で作ることができるのがおかゆの素晴らしさ。

作りやすい道具も「作ってみようかな」と思うきっかけづくりになります。
からだへの思いも素晴らしい調味料もその一つ。
自分が思う視点からおかゆ生活始めませんか?