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和名ひらがな こんぶ
和名カタカナ コンブ
英名 kombu, kelp
仏名 laminaire, algue
伊名 laminaria, alga marina
昆布を材料に使ったレシピ
16件のレシピが見つかりました。
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コンブ科。語源はいくつかの説があるが、中国の綸布(くわんぶ)に由来するというのが有力。日本では、古くから広布(ひろめ)または夷布(えびすめ)と呼ばれ、『延喜式』(927年)には14種の海藻の1つとして広布と記載されている。布(め)とは海藻が布に似ているところからついたもので、陸奥国(現、福島、宮城、岩手、青森県)から代々朝廷に献納され、宮中での大嘗祭(天皇即位の儀式)や天皇の食膳などに供されたという。日本最古の漢和辞書『和名類聚抄』(934年ごろ)には「比呂女」(広布)、「衣比須女」(夷布)の文字があてられている。呼び方が「こんぶ」となったのは平安末期以降とされ、「こぶ」ともいう。鎌倉時代(1185〜1333)に入ると、北海道の開発が本格的に進められ、同中期から室町時代(1392〜1573)にかけて北海道と本州との交易が盛んに行われるようになり、箱館(現、函館)周辺産が船で福井県の小浜や敦賀を経て京都へ運ばれた。室町時代には箱館周辺で採れた良質な真昆布に産地の古名を冠して宇賀(うが)昆布と呼んだ。この名は南北朝〜室町時代初期に編纂された書簡文例集『庭訓往来』に出てくる。江戸時代(1603〜1868)初期には小浜でとろろ昆布、おぼろ昆布などの細工昆布や刻み昆布などの加工が行われ、全国的に広まった。ちなみに現在でも加工昆布の生産地は大阪、福井、京都などが中心である。江戸中期(1710年ごろ)に下関、瀬戸内海を経て大阪へ直接運ぶ航路も開かれ、飛躍的に利用されるようになり、江戸後期には清との交易の中継地である琉球(現、沖縄)にも運ばれ、この地の食文化にも影響を与えた。この語は「よろこぶ」に通じ、古名の広布は「広める」に通じるため、古くから慶事全般に用いられ、食材としては日本料理の吸い物や煮物のだしとして欠かせない。分布域は寒流水域である三陸海岸以北の太平洋岸から北海道全域で、主産地は北海道沿岸。水深10m前後の岩礁に群生する。形態は、岩盤に強くはりついた短い根とその上の円柱状の短い茎状部、さらにその上の膜状かつ帯状の長い1枚の葉状部で成り立ち、葉状部は毎年生えかわるが茎は下部が越年する。寿命は多くが3〜4年だが、1〜2年というものもあり、環境条件によっても変化する。日本では40種ほどが採れ、これは世界のコンブ科の半分以上を占める。このうち食用として重要な品種はコンブ属の13種ほどで、主なものは以下に紹介している真昆布、利尻昆布、日高昆布(三石昆布)、羅臼昆布(鬼昆布)、長昆布、細目昆布の6種。ほかに加工昆布とは異なる種としてトロロコンブ属のとろろ昆布などがある。養殖も北海道と岩手県を中心に盛んに行われ、品質的に天然との差はない。しかし収穫時期は、天然ものが2年なのに対して養殖ものはわかめと同様1年。収穫した昆布は、根、茎、葉状部に分けて乾燥させ、暗緑色か深黒色になったものを一定の長さにし、かたく結束して出荷する。出荷にあたっては採取時期、キズ、斑点、変色の有無など細かい規格がある上、産地(浜)と昆布自体の幅や厚さによるランクもあり、最上級の浜(特上浜)で採取した最大のもの(1等)が最も高価。だし昆布は根元に近いほどうまみが多くて味がよく、上等とされる。かたい真昆布や利尻昆布は吸い物のだし、ちり蒸し、魚の昆布締めなどにし、やわらかい日高昆布や長昆布は煮しめ、おでん、昆布巻き、塩昆布、つくだ煮、松前漬け、昆布締め、揚げ昆布にする。また湯通し塩蔵のような一年生昆布はサラダや酢の物、煮物、炒め物に使われる。食用以外にはアルギン酸やヨードの原料として用いられる。採取時期は7〜9月だが、多くは乾燥したものなので一年中ある。輸入ものも出回る。
●真昆布 平安時代(794年〜)から珍重される昆布の代表格。松前昆布、山出し昆布とも呼ばれる。淡泊で上品な甘みが特徴で、最も味のよいだしがとれるとされる。形はコンブ属の基本形で、付着根から短い茎状部が立ち上がり、幅10cmほどの中帯部が走る葉状部は急に広がり、両縁が大きく波打つ。長さ2〜6m、幅20〜30cm、厚さ3mmと幅広肉厚で、紺褐色。寿命は2年。だし昆布のほか、おぼろ昆布、とろろ昆布、酢昆布、白板昆布、塩昆布、昆布茶、昆布あめ、つくだ煮など、さまざまに加工される。分布域は、北海道の函館、室蘭地方を中心に太平洋側は三陸、日本海側は青森県西部まで。
●利尻昆布 だし昆布、てしお昆布、黒昆布ほか、さまざまな呼び方がある。真昆布に次ぐ良品で、うまみは真昆布より薄いが味が濃く、香りもよく、独特の風味がある。形は真昆布とよく似ているが、長さ1〜2.5m、幅10〜20cmほどとやや小さめで、葉状部の基部が細いくさび形をしている。色は黒みが強い。肉質がかたく、削っても色や品質が変わらないので、上質なおぼろ昆布やとろろ昆布、白板昆布などに加工される。オホーツク海沿岸から北海道の日本海側、津軽海峡あたりまで点在し、その中心は利尻島、礼文島周辺。
●日高昆布 三石昆布の別名。この名は三石を中心にした主産地、日高地方の地名からついたもので、多くはこの名で流通する。利尻昆布に比べると味が薄く、やや濁るがだしはよく出るので、早くやわらかく、美しい緑色においしく煮上がる。長さ2〜7m、幅5〜15cmほどで真昆布より細長い。昆布巻き、つくだ煮、塩昆布、刻み昆布などに加工される。分布域は、北海道の襟裳岬を中心とした日高地方から東は白糠(しらぬか)、西は津軽海峡の汐首岬付近に至る太平洋各地、南は岩手県沿岸までだが、白糠から室蘭の間で生育している漁業対象の昆布は本種に限られる。
●羅臼昆布 羅臼産の鬼昆布のことで、この名は特に品質がよいことからついた。主にだし用。汁は濁るが真昆布に匹敵するうまみとこくのある濃厚なだしがとれる。長さは1.5〜3mと真昆布より短いが、幅は20〜40cmと広く、厚みもある。色は茶褐色。赤みの強いのは赤口、黒みが強いのは黒口と呼ばれるが、味は変わらない。昆布茶、酢昆布などに加工される。知床半島南岸を中心に北海道東部太平洋岸の釧路、根室地方から羅臼にかけて分布する。
●長昆布 品質はやわらかく、特に実入り前に採取したもの(さお前昆布)は煮物に最適で、だし用にはしない。日高昆布とよく似ているが、日本の海藻では最も長く、10〜20mに達するものもある。葉状部の基部はくさび形で両端のひだは大きく、灰色がかった黒色をしている。煮昆布や昆布巻き、塩昆布、刻み昆布に加工される。北海道の釧路、根室地方に分布し、収穫量は多い。
●細目昆布 細目、磯昆布ほかの呼び方がある。組織がやわらかく粘質が多いので早煮昆布に向くが、味、香りとも真昆布よりやや劣る。真昆布を小型にしたような形で葉状部の基部はくさび形をし、中帯部はあまりはっきりせず、周縁は平坦。長さは1〜1.6mほどと短く、幅も6〜9cmと狭いが、厚さは4mmあり、真昆布とよく似た紺褐色をしている。つくだ煮、とろろ昆布、おぼろ昆布、昆布巻きなどに加工される。分布域は真昆布よりも広く、北海道の日本海沿岸から青森を経て宮城県あたりまで。ちなみに本来の分布域ではないが、本種が三浦半島でも養殖されている。
◇栄養成分 効率的かつバランスよくミネラルを摂取でき、特に注目したいのはヨード(ヨウ素)をたいへん多く含むこと。これは甲状腺ホルモンの分泌や新陳代謝を促し、病気に負けない抵抗力を養う作用などがある。カルシウムやカリウム、鉄も多く、カルシウムは健康な歯や骨を作って骨粗鬆症を防ぐほか、精神を安定させるといった抗ストレス作用、血圧を下げる働きもある。カリウムは体内の代謝生理に関わり、塩分の弊害を防ぎ、高血圧の予防に役立つ。鉄は貧血を防ぎ、体温を維持する。また、特有のぬめりのあるアルギン酸などの水溶性食物繊維、ビタミン類を豊富に含む。アルギン酸は血糖値の急な上昇を防ぎ、血中コレステロール値を下げる。また整腸作用があり、吹き出ものや肌荒れの解消、便秘の予防などに役立つ。ビタミン類はカロチンをはじめ、B群が豊富で、カロチンは皮膚や粘膜を健康に保ち、B群は糖質や脂質の代謝をよくする。それにフコイダン、マンニットなどの多糖類も含まれる。表面の白い結晶は、さわやかな甘みで水に溶けやすいマンニット。うまみ成分は遊離グルタミン酸で、魚肉のイノシン酸と合わせると相乗効果によりうまみが増大する。
◇選び方 よく乾き、幅広肉厚で、黒い中にも緑褐色がかり、つややかで香りのよいものが良品。逆に黄色っぽくてつやのないものは味が落ちているので避け、黒すぎるものも時期はずれに採取され、だしも十分にとれないものが多いといえる。
◇扱い方 表面のマンニットを取ってしまうので、水洗いは禁物。ごみや汚れはかたく絞ったぬれぶきんでさっと拭く程度にする。基本的なだしのとり方は、必要な分だけはさみで切り、水のままでとるか、水から火にかけ、沸騰する前に取り出す。沸騰するまでに成分が出るので、煮出す必要がないだけでなく、長時間加熱するとアルギン酸はだしの粘りの原因となり、ヨードは味を害し、色素は溶質して黄色みを帯びる。しかし鍋物などの場合は、入れたままでかまわない。やわらかく煮上げるためには、酢を少し振りかけて食物繊維をやわらかくし、水分が蒸発するのを防ぐためにふたをして煮るとよい。保存は缶などに入れて湿気を防ぐ。だしをとったあとの昆布も漬け物、酢の物、つくだ煮などに利用するとよい。
和名ひらがな こんぶ
和名カタカナ コンブ
英名 kombu, kelp
仏名 laminaire, algue
伊名 laminaria, alga marina
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