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和名漢字 海苔
和名ひらがな のり
和名カタカナ ノリ
英名 nori, laver
仏名 algue comestible
伊名 alga marina disidratata
のりを材料に使ったレシピ
8件のレシピが見つかりました。
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ウシケノリ科。一般に本科のアサクサノリを代表とするアマノリ類を乾燥させた干しのりをさし、紫菜、甘苔とも書く。アマノリの語源はぬらぬらしたものという意味のヌラ。それがノリに転訛し、生のまま食すとほのかに甘くておいしいことから甘いノリ、転じてアマノリとなったもので、『大宝律令(たいほうりつりょう)』(701年)には、諸国の物産を朝廷に献納する租税のひとつである調として「紫菜」の文字で出てくる。これは中国の文字がそのまま使われたもので、ほかに中国で不老長寿の神を神仙と表したことから不老長寿にきく薬草を意味する「神仙菜」の文字も当てられた。それが平安時代末期(1100年代)に「甘海苔」、江戸時代(1603〜)に入り、「海苔」に変わった。日本では縄文、弥生時代からコンブ科のアラメやカジメといった藻類とのかかわりが深く、アマノリも古くから好んで食した。その理由は、味がよいことに加え、日本各地の近海に分布し、干潮時に採取しやすい潮間帯上層に生息しているためでもある。古くは採取した天然のアマノリを素干しにしていたが、亨保年間(1716〜1736)ごろに江戸(現、東京)の品川〜大森あたりの近海で、海底に木の枝や真竹をさしてひび建てし、それに付着した天然のアサクサノリの胞子を生育する養殖が始まった。加工法も採取した原藻をそのまま素干しするのではなく、浅草周辺では、隅田川の水を利用して行われていた紙漉きの製法を真似て、細かく刻んでから水でよく混ぜ、枠に張った簀の子に流して薄い紙状に成形し、乾燥するという製法「抄(す)きのり」にした。それは素干しものより見た目も口当たりもはるかによく、「浅草海苔」の名で売り出したら参勤交代などを通じて諸国に知れ渡り、商品名の「浅草海苔」が干しのりの代名詞として広まった。ちなみに漢字名の由来は、品川〜大森あたりで採取したノリを浅草で製品化したら品質がよくて話題になったからという説、浅草付近で採れたノリがおいしかったからという説、隅田川の紙漉きの製法で抄き、薄い紙状にしたからという説など諸説ある。時代は移り、第2次世界大戦後の1949年、イギリスの海藻学者によってアマノリの胞子の発生、生長の過程が明らかにされ、日本でもそれから約10年の時を経て、3月ごろ採取したアマノリの胞子をカキの殻などにこすりつけて胞子を殻に移し、海水を入れた水槽内で培養するという人工採苗の技術が確立。その後、ノリ種網の冷凍保存ほかの技術開発、海底にさした支柱の間に網を張った支柱養殖に加え、海面で生育する浮き流し養殖の普及により、生産量が非常に増加した。また1970年前後には培養液の中で糸状体を育てる(フリー糸状体)種苗技術も開発され、1975年には全自動乾海苔製造装置が完成し、原藻を刻むことから乾燥させるまでの全工程が機械化された。浅草海苔の品質格付は特等から等外まで7等級に分けられ、一般に色は青みを帯びた黒紫色でむらがなく、つややかで手触りがよく、特有の香りがあり、十分乾燥しているものが上質とされている。そのため天日乾燥の場合は天候が品質を大きく左右し、原藻を採取した日に完全に乾燥できれば上質の製品になるが、乾燥が翌日になるとそれだけで品質が下がった。その点、機械化により乾燥にバラツキがなく、行き届いた品質管理のもとで安定した生産ができるようになり、かつては高価だったが今や誰でも入手できる一般的な食品になった。興味深いことは養殖方法によって色や性質が下のように違うことで、それは焼いた直後の食感と外観に現れる。浮き流し養殖(瀬戸内海が主産地)のものはやや厚手でつやがあり、焼くと濃い青緑色になり、淡泊な味わい。支柱養殖(有明海が主産地)のものは薄手でやわらかく、焼くと緑色になり、うまみがある。原藻になるアマノリは1年生で、養殖の品種はアサクサノリ、スサビノリ、ウップルイ(十六島)ノリなどだが、全国的に普及しているのはスサビノリで、特に多いのはナラワスサビノリ。アサクサノリは今や絶滅危惧種となるほど激減しているが、その一種のオオバアサクサノリは各地で養殖されている。養殖主産地は仙台湾、三河湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海などで、かつては日本一の収穫を誇っていたアサクサノリ発祥の地、東京湾では大幅に縮小している。素材として優れているのは12〜1月の寒冷期に生育した原料から作られるものといわれ、12〜3月ごろまで採取する。ここでいうノリは海水藻のことで、アマノリの仲間には岩ノリ、青ノリ、エゴノリ、オゴノリなどがある。なお、紅色色素のフィコエリスリンを含むので、のりで包んだおむすびが赤く染まるのもこの色素が水分にとけるため。加工品としては焼きのり、味つけのりがあり、佃煮にもする。焼きのりは短時間焼いて大きさをそろえたもので、焼くことによりフィコエリスリンと藍青色(フィコシアニン)の色素が退色し、緑色(クロロフィル)と黄橙色(カロテノイド)の色素が残るので鮮やかな緑色になる。また熱によりうまみ成分や甘み成分がとけ出すため、香り、風味ともよい。味つけのりは、干しのりに直接(または一度焼いてから)たれを薄く塗るか吹きつけ、乾燥したのちに切断したもの。最近ではごま油に塩味をきかせた韓国風味つけのりも出回っている。
◇栄養成分 海藻は全般にカルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウム、ヨード(ヨウ素)などのミネラルを効率的かつバランスよく摂取できる。カルシウムはマグネシウムなどとともに健康な歯や骨を作って骨粗鬆症を防ぐほか、神経の興奮を鎮め、精神を安定させる働きをする。カリウムは体内の代謝生理に関わり、塩分の弊害を防ぎ、高血圧の予防に役立つ。鉄は貧血を防ぎ、体温を維持する。ヨ−ドは、甲状腺ホルモンの分泌や新陳代謝を促し、病気に負けない抵抗力を養う作用などがある。ビタミン類も豊富で、特にカロチンが多く、B1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、葉酸なども含む。カロチンは体内でビタミンAにかわって免疫機能の維持や抗酸化作用に働き、老化防止にも有効。B2は動脈硬化や脳卒中などの生活習慣病を予防し、口内炎や目の充血、肌荒れなどを緩和する。B12は、葉酸と協力し合い、赤血球の産生に働くほか、神経を正常に働かせる。また、たんぱく質や食物繊維も豊富で、うまみ成分は遊離グルタミン酸、イノシン酸など。アラニン、タウリンは昆布より多い。香り成分はジメチルサルファイド(DMS)ほか。
*干しのりの等級はたんぱく質、ビタミン含有量と比例し、上級とされるものほど、たんぱく質、ビタミンの含有量が多く、ミネラルも豊富。うまみ成分のグルタミン酸やアラニンも多い。
◇選び方 厚さが均一で香りがよく、つややかで黒紫色のものにする。
◇扱い方 湿気を吸うと紅紫色になるので、密閉したビニール袋や缶などの密閉容器に入れ、できれば冷蔵庫で湿気ないように保存する。焼くのは食す直前にし、2枚を中表に合わせ、十分に熱した網の上で、のりの四隅で火をなでるように何回か返しながら万遍なくあぶると、パリッと焼き上がる。使う火は、水蒸気を含んでいるガスより電熱器やオーブントースターのほうがよい。
和名漢字 海苔
和名ひらがな のり
和名カタカナ ノリ
英名 nori, laver
仏名 algue comestible
伊名 alga marina disidratata
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