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旬の時期
5, 6月
和名ひらがな うめ
和名カタカナ ウメ
英名 plum, Japanese apricot
仏名 prune
伊名 prugna, susina giapponese
梅を材料に使ったレシピ
14件のレシピが見つかりました。
Cherry Terrace Official Site
バラ科の落葉高木。原産地は中国。『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』(480年ころ)や6世紀の『斉民要術(せいみんようじゅつ)』に薬用としての名があり、栽培方法も記されている。日本には、野生種があるという説もあるが、6世紀初めに中国から渡来したと推定される。名は中国音のウメイ(烏梅)が転じたとか、「熟(う)む実」のウムがなまったなどといわれ、一般に前者とされている。書物としては日本最古の漢詩集『懐風藻(かいふうそう)』(751年)に初めて名が記され、『万葉集』ではウメの呼び方で梅花の歌が多く詠まれている。また各地にウメにまつわる伝説やことわざもある。菅原道真(すがわらのみちざね)の「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花u3000あるじなしとて春な忘れそ」は901年、筑紫(現・九州)に左遷されるときに自庭のウメを見ながら詠んだ有名な和歌だが、その枝が平安京(現・京都)からはるか太宰府まで飛び、この地に根づいたという「飛梅(とびうめ)」伝説もある。以来、学問の神といわれる道真が祭られた北野天満宮と太宰府天満宮をはじめ、各地の天満宮はウメの名所となった。なお、東京都の青梅(おうめ)のように、この果樹の名は地名にも使われている。ちなみに、青梅は平将門が植えたウメの実が秋になっても青いということからついたといわれる。日本では花ウメ栽培が奈良時代(710〜784)から盛んだったのに対し、実ウメ栽培が行われたのはずっと遅く、江戸時代(1603〜1867)に入ってから。現在では北海道を除くほとんど全国で栽培されている。地方品種が多く、主産地は和歌山県。次いで群馬県、福井県、長野県、奈良県、山梨県、青森県の順だが、農林水産省大臣官房統計部編集発行『平成19年産出荷統計』によると、全出荷量の約65%は和歌山県が占め、群馬県は6%、福井県、長野県、奈良県は各2%となっている。種類は、純粋なウメ(純粋ウメ)のほか、ウメとアンズの雑種(アンズウメ)があり、純粋ウメは重さ20g以下が多いが、アンズウメは40g以上、なかには70g近いものもある。一般に5g以下を小ウメ、5〜30gぐらいを中ウメ、40g以上を大ウメと呼んでいる。開花は春に先駆けた1月中旬〜2月で、小ウメが早く咲く。果実は一般に球形で、縦に浅い溝があり、果皮全体に毛が生えている。果皮は未熟果(青梅)では緑色だが、成熟すると黄緑色、完熟すると赤みを帯びた黄色になる。青梅の果肉はかたくて酸味が強いが、熟すとやわらかくなって酸味もやわらぐ。果実の中央には表面に細かい穴のあるかたい核(通常、種という)があり、中に「天神さん」と呼ばれる白い仁がある。非常に酸味が強い果実なので生食はせず、青梅は梅酒、梅酢(塩漬けしたウメから出てくる汁)、梅ジュース、梅シロップ、梅ジャム、梅煮などにし、完熟梅(やわらかく熟したウメ)は梅干しにする。ちなみに梅酢は、酢やしょうゆのない時代に塩とともに重要な調味料として使われたことから現在でも味加減のことを「塩梅(あんばい)」という。加工品も多く、その筆頭は梅干し。近年は一度塩漬けしたウメの塩分を抜き、調味料や昆布、はちみつなどで調味した減塩梅干しが増えている。ほかに梅酒、梅ジュース、梅酢(白梅酢、赤梅酢)、梅漬け、梅びしお、梅ジャム、のし梅をはじめとした和菓子類、梅シロップ、梅肉エキスなどさまざまな食品になっている。果実が市場に出回るのは5月下旬〜7月上旬で、ピークは6月だが、和歌山県、奈良県産は5〜6月、群馬県産は5〜7月というように収穫時期は地方によって少しずれる。主な品種は以下の通り。
●甲州最小(こうしゅうさいしょう) 別名は小梅で、名に最小があるのは重さ5g内外と小ウメの中でも小さいことを意味している。梅干し用だが、塩漬け、みりん漬けなどにもする。産地は山梨県。収穫期は5月下旬〜6月上旬。
●南高(なんこう) 紀州の梅として有名。梅干し用だが、梅酒、梅ジュース、梅漬けなどにもする。重さ26〜30g。果肉は厚くてやわらかく、種が小さいのが特徴で人気があるが、値段は割高。産地の和歌山県のほか、全国的に栽培が増えている。収穫期は6月中〜下旬。
●鶯宿(おうしゅく) 花ウメの鶯宿梅とは異なる品種。梅酒用だが、梅干し、梅ジュースにもする。重さ16〜25g。産地は徳島県、奈良県。
●小向(こむかい) 梅酒用。明治初期から東京都西多摩地方で多く栽培された品種。重さ31〜40g。産地は東京都を中心にした関東地方。収穫期は6月中〜下旬。
●長束(なつか) 梅酒、梅干し用のアンズウメ。重さ16〜25g。産地は愛知県。収穫期は6月中旬。
●白加賀(しろかが) 梅干し用だが、梅酒、梅ジュースにもするアンズウメ。果肉は繊維が少なく多汁。重さ31〜40g。産地は関東地方だったが、現在は全国的に生産。収穫期は6月中〜下旬。
●豊後(ぶんご) 梅干しには不向きで、梅酒、梅びしお、梅ジャムにするアンズウメ。果肉は厚く、繊維が多い。特にアンズに近く、重さ41g 以上で、70gに達するものもある。原産地は中国または大分県といわれる。産地は東北から九州までと広く、比較的低温に強いので東北地方に多い。収穫期は6月中〜下旬。
◇栄養成分 「梅はその日の難逃れ」のことわざがあるように、梅干しが食あたりを予防することは古くから広く知られているが、これはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、ピクリン酸といった有機酸の強い抗菌作用によるもの。整腸作用も強く、食欲増進、糖の代謝促進、疲労回復に役立つ。また胃液の分泌をよくし、たんぱく質の消化を助けるほか、胃酸が少ない場合は胃酸のかわりとしても働く。ピクリン酸は肝機能を活性化させ、二日酔い防止にも効く。ミネラルではカルシウム、リン、カリウムなどが、ビタミン類ではA(カロチン)、B1、B2、Cなどが含まれる。青梅をすりおろして濾した汁を煮詰めた梅肉エキスには梅干しの30倍の効能と10倍の抗菌性があるといわれ、服用すると乗り物酔い防止や痛み止めになる。また水で薄めた梅酢でうがいをすると風邪の予防やのどの痛みをやわらげる。漢方では未熟な果実をあぶって干したものを烏梅(うばい)といい、下痢や嘔吐、咳、食欲不振、食物や薬物の中毒には薄めて服用し、化膿性の皮膚疾患やリウマチ、腰痛には外用薬として塗る。
*梅干しを見ると自然に唾液が出てくるが、唾液にはでんぷん質の分解を助けるアミラーゼや若返りのホルモンが多量に含まれ、さらに発ガン物質の毒性を抑制する酵素もある。これはウメの2次的な効用といえる。
*梅干しはナトリウムが多いので、高血圧の人などはとりすぎないようにすること。
*「青梅を食べるとおなかをこわす」といわれるのは、未熟果である青梅の種は割れやすく、種の中にはアミグダリン(amygdalin)という青酸配糖体が含まれ、砕けると酵素分解によって青酸を生成するため。しかしこの成分は成熟するにつれて蒸散するので、熟したウメなら心配ない。
◇選び方 梅酒や梅ジュース用には、大粒でかたく、果皮にキズがなくあざやかな緑色をした粒ぞろいの青梅にする。虫食いの穴やキズ、黒い斑点があると、苦みや濁りの原因になるので避けること。梅干し用には中〜小粒で少し熟しかけて黄ばみ、果皮にキズがなく、果肉が厚く、種の小さいものがよい。やや熟したものにするとやわらかい梅干しができる。
*梅酒から引き上げた青梅の果肉を煮ると梅ジャムが作れる。
◇扱い方 梅を漬ける容器や梅ジャム、梅煮などを作るときの鍋はガラスやほうろうといった酸に強い材質のものにする。アルミ製の鍋で煮ると、あとで錆びることがある。梅ジュースは青梅をよく洗ってから水気を拭き取り、つまようじや竹串でヘタを取って冷凍庫で凍らせるとエキスが出やすくなる。梅干しは、7月下旬の晴天の続く日、塩漬けしたウメをそのまま三日三晩土用干ししたもの。塩漬けした梅に紫蘇の葉を加えて漬け込むと出てくる赤い汁(赤梅酢)を別のびんに移し、この酢で野菜を漬けると風味のよい漬け物ができる。
*青魚を煮るときに梅干しを入れると臭み消しになるだけでなく、煮崩れを防ぎ、小骨までやわらかくなる。
旬の時期
5, 6月
和名ひらがな うめ
和名カタカナ ウメ
英名 plum, Japanese apricot
仏名 prune
伊名 prugna, susina giapponese
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