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旬の時期
10, 11月
和名ひらがな かき
和名カタカナ カキ
英名 persimmon
仏名 kaki
伊名 cachi
柿を材料に使ったレシピ
6件のレシピが見つかりました。
Cherry Terrace Official Site
カキ科の落葉高木。原産地は東アジア。古くから中国、日本、朝鮮半島に分布し、日本列島からも化石が出たので日本も原産地だろうとする説もあるが、奈良〜平安時代に大陸から伝わり、独自に発達したという考え方が有力。果物としての柿が古文書に出てくるのは平安時代からで、『本草和名(ほんぞうわみょう)』(918年)には「加岐」、『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』(934年ごろ)には「賀岐」の記載がある。『延喜式(えんぎしき)』(927年)には儀式や祭礼の供え物、天皇のお菓子としてじゅくし(熟柿)や干し柿が記され、宮廷でも栽培されていたことがうかがえる。南北朝〜室町初期(1336〜1421年ごろ)の消息文を集めた『庭訓(ていきん)往来』には、渋柿と区別して「樹淡(きざわし)」「木練(こねり)」の名が見られ、甘柿をさしている。19世紀には日本や中国からヨーロッパやアメリカへ伝えられ、現在もアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどで栽培されているが、世界の主産地は日本、中国、朝鮮半島。日本では庭先などに植えられるおなじみの果樹で在来品種も多い。北海道を除く各地で栽培されているが、主産地は収穫量順に和歌山県、奈良県、福岡県、岐阜県、愛知県、福島県で、全生産量の約6割をこの6県が占める。「桃栗三年柿八年」といわれるように苗を植えてから収穫までに年月を要し、6月ごろ淡黄色の花をつけ、秋に実を結ぶ。果実の形は丸形、平たい四角形、扁円形、楕円形などで、大きさも大果〜小果とさまざま。果皮は薄くてやわらかく、未熟果は黄色や橙色、朱色などだが、完熟すると紅色になる。果肉は橙色で、未熟果ではややかたいが、完熟するとやわらかくなる。日本の品種は世界一多くて800〜1000種。大きく甘柿と渋柿に分かれ、さらに完全甘柿、不完全甘柿、完全渋柿、不完全渋柿の4つに分類されるが、もともとは果肉の中に渋み成分の可溶性タンニンを含む果実で、甘柿は突然変異や交雑によって生まれたもの。そのため甘柿も幼果の時期は渋く、渋柿もタンニンを不溶化すると渋みがなくなる。ちなみに日本では甘柿の品種が多いが、中国原産種には1種あるだけで、韓国にはない。
1)完全甘柿 種子の有無にかかわりなく、収穫期ごろに自然に渋みがなくなり、甘くなる。ただし、渋みがなくなるには比較的高い温度を要する。
2)不完全甘柿 種子のまわりにごま(種子から発生した渋を抜く揮発性物質が果肉に広がることでできた褐斑)が多量にできることで渋が抜ける品種。種子が少なくてごまの入り方が不十分だと渋みが残るので、その場合は渋柿のように渋を抜いて出荷される。
3)完全渋柿 種子の有無にかかわりなく、渋い品種。ごまもできない。押すとすぐつぶれるほどよく熟すと渋み成分の可溶性タンニンが不溶化して渋が抜ける(じゅくし)が、一般に炭酸ガスを吹きつけたり、エチルアルコール(焼酎など)やお湯につけて渋を抜いたものが出荷される。
4)不完全渋柿 種子ができるとそのまわりだけわずかにごまができて渋が抜けるが、その範囲が狭いため果実全体としては渋い品種。出荷の際は、主に炭酸ガスを用いた脱渋(CTSD脱渋法)を行うが、干し柿に利用されることも多い。
主な品種は以下の通り。
【完全甘柿】
●富有(ふゆう) 最も生産量の多い品種。丸みのある形をした大果で、重さ約250〜300g。果皮は橙紅色。果肉はやや緻密でやわらかく、甘みが強く、多汁。種は少なく、渋みがまったく残らない。雌花しかないので自分で受粉できず、果樹園では花粉用の木(受粉樹)を植えている。原産地は岐阜県。主産地はほかに、福岡県、奈良県、和歌山県。晩生の代表格で、旬は10〜11月。
●次郎 四角く平たい形で、頂部に8条の溝がある大果で、重さ約250〜300g。果皮の色はやや薄い。果肉は緻密でややかたく、さくさくした歯ざわりがある。種は少なく、甘みが柿の中で最も強い。原産地は静岡県。主産地はほかに、愛知県。晩生で旬は10〜11月。
【不完全甘柿】
●西村早生(にしむらわせ) 日持ちのよい品種。富有に似た丸みのある形で、重さ約220g。果肉はかたい。原産地は滋賀県。主産地は福岡県と岐阜県。早生で、旬は9〜10月。
●禅寺丸(ぜんじまる) 江戸時代以前からある古い品種。果実は丸形の小果で、果皮の色は淡い橙黄色。果肉は粗く、ごまが一面に入っている。甘みは強いが、へたの近くがふくらんでいるのは渋い。枝柿ともいう。原産地、主産地ともに神奈川県。旬は10月。
●太秋(たいしゅう) 果実は大果で、重さ350〜400g。果肉は粗くてやわらかく、非常に多汁。種は少なく、果皮に黒いすじ(条紋)があるところは特に甘みが強い。農林水産省果樹試験場(現・果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点)で富有、次郎ほかの交配により育成したもの。主産地は熊本県。晩生で、旬は10〜11月。
●筆柿(ふでがき) 筆の穂先のような形をした小果で、重さ約100g。果肉はかたくて甘く、ごまが多い。種も細長い。原産地、主産地ともに愛知県。極早生で、旬は9〜10月。
【完全渋柿】
●堂上蜂屋(どうじょうはちや) やや四角い楕円形で頂部がとがり、へたが扁平の中果。果皮はなめらかでつやがあり、暗めの橙黄色。果肉は緻密。熟してやわらかくなるまで渋は抜けきらない。乾燥して干し柿にするのに最適で、岐阜名物の柿ようかんの原料になる。この名は原産地、岐阜県蜂屋村(現・美濃加茂市)から朝廷に干し柿を献上していたことからついたもので、主産地も同県。旬は10〜11月。
●西条(さいじょう) 楕円形で、頂部がややとがり、側面に4条の溝がある。多くの系統があり、一般に小果で、重さ100〜150gが多い。果皮は淡橙黄色。果肉は緻密でやわらかく、軟化しやすい。多汁で、渋を抜いたあとは甘みが強い。さわし柿、転(ころ)柿やあんぽ柿、じゅくしに最適。原産地は広島県で、日本の柿栽培が始まったころからの歴史がある。主産地は鳥取県、島根県、岡山県。旬は10〜11月。
【不完全渋柿】
平核無(ひらたねなし) 四角くて平たい形をし、果実は中果で、重さ190〜220gほど。果皮はあまり赤くなく、黄橙色。果肉は緻密でやわらかく、種は少ない。渋を抜くと甘みが強く、非常に多汁。原名は八珍(はっちん)。産地によって名前が変わり、山形産は庄内柿、佐渡島産はおけさ柿と呼ばれる。原産地は新潟県。主産地はほかに、和歌山県、奈良県、山形県。旬は10〜11月。
●刀根早生(とねわせ) 平核無の枝変わり品種。特性は原種と同じで、成熟期が早生になった。原産地は和歌山県。主産地はほかに、奈良県。旬は9〜10月。
●会津身不知(あいづみしらず) 扁円形で頂部に4条の溝があり、中果で、重さ約250g。さわし柿に向く。この名は、あまりたくさん実がなりすぎて自らの枝を折ってしまうような身のほど知らずということからついたといわれる。原産地、主産地ともに福島県。旬は10〜11月。
●甲州百目(こうしゅうひゃくめ) ふっくらとした長円形で頂部がとがる大果で、重さ約350gかそれ以上になる。果皮はつややかで黄紅色。果肉は緻密で渋が抜けやすく、やわらかく熟すと甘くなる。干し柿用に栽培されることが多い。別名は富士、蜂屋ほか。原産地は不明。各地で栽培されているが、主産地は山梨県、福島県、宮城県。旬は10〜11月。
甘柿の食べごろは果皮が色づき、果肉がやややわらかくなり、果汁が多くなったとき。そのまま生食するのが一般的だが、サラダ、大根おろしとの和え物などの料理から、ジャム、ようかん、コンポートのような甘味に使われる。皮は大根や白菜の漬け物に入れたり、魚を煮るときに干したものを加える。各地に郷土料理があり、古くから日本の乾燥果実の代表といえる干し柿やさわし(醂)柿が作られた。干し柿は皮をむいた渋柿を乾燥することで渋みを抜いたもので、甘みが強く、保存性も高くなる。その乾燥の度合いや形体などにより、転(ころ)柿(半乾きのとき、むしろなどの上で転がしながらきれいな形にしたもの)、あんぽ柿(粉を吹かない、やわらかめのもの)、枯露(ころ)柿(よく乾燥させ、白い粉が吹いているもの)、 串柿(竹串に刺して乾燥させたもの)などの種類がある。また、さわし(醂)柿は、渋柿を樽に入れ、藁灰をかけて湯を注ぎ、きっちりと蓋をして一昼夜おくことで渋みを抜き、甘くしたもの。
◇栄養成分 「柿が色づくと医者が青くなる」のことわざがあるように、ビタミンCが100g中70mgも含まれ、カロチンも豊富。ビタミンCは果実1個でみかん3〜4個に相当する含有量で、風邪の予防をはじめ、ガンや老化の防止、肝機能の改善、美肌づくりなどの作用がある。カロチンは体内でビタミンAに変わって免疫機能維持や抗酸化作用に働き、肌荒れや老化防止に役立つ。ビタミン類ではB1、B2、Kも含む。また、肝臓の解毒を助けるアミノ酸、便秘の解消に役立つ食物繊維も多い。ミネラルではカリウムが多いので利尿作用があり、二日酔いに効く。渋みはタンニンの一種のシブオールで、果実中に点在するタンニン細胞の中にあり、甘柿のごまは水に溶けない形になったタンニン(不溶性タンニン)の集まり。それに対して渋柿や未熟なうちは、その細胞が水に溶けやすいまま(水溶性タンニン)なので渋みを感じる。干し柿になると甘みは生の4倍、カロチンは約2倍になる。色素成分のβ‐クリプトキサンチンは体内でビタミンAに変わるカロチノイド系で、発ガン抑制作用がにんじんのカロチンの約5倍あることが判明し、ガン予防が期待されている。漢方では、生を食べると肺を潤してせきを止め、たんを取り除く働きがあるといい、肺結核でせきが止まらず、喀血するときの補助療法としても用いられる。葉は果実以上にビタミンCが多く、柿茶には利尿効果があるほか、新陳代謝を促進させ、高血圧にも有効で、解熱や止血作用があるという。また、へたを煎じて飲むとしゃっくりやゲップ、夜尿症に効くといい、へたや干し柿の表面の白い粉(柿霜=しそう)には、肺に熱があってせきやたんがあり、のどが渇いて痛く、口や舌に炎症がある症状にすぐれた効能があるとされる。なお、白い粉は果皮表面近くの糖分が乾燥によって晶出したもので、主成分は果糖とブドウ糖。
*冷やす作用が強いので、胃腸が冷えやすい人や病後、産後の人は多食を控える。
*タンニンを含むので、多食すると便秘になる場合もある。
◇選び方 全体に赤く、つやと張りがあり、色にむらのないものがよい。また一般に大果のほうがやわらかくておいしいので、手に持って重量感のあるものにする。へたはあざやかな緑色で、内側にすき間のないものがよい。なお、果皮に黒いシミがあったり、見た目がよくなくても、果肉には影響がなくて味も変わらない。あんぽ柿以外の干し柿は表面の白い粉がきれいに吹いているものにする。
◇扱い方 果頂部と種子のまわりが甘いので、縦にくし形に切り、皮はできるだけ薄くむく。次郎のように平らなものは溝に沿って切ると種子に当たらない。保存するときはポリ袋に入れるか新聞紙でくるんで冷蔵庫へ入れる。渋柿は、数カ所小さな穴をあけたポリ袋の中に柿5個に対してりんご1個を入れて口を閉じておくと、りんごから出るエチレンの作用により、家庭でも1週間ほどで手軽に渋が抜ける。干し柿は、渋柿の皮をむいて吊るしたり、串に刺して干して作るが、温度が高い時期に干すとカビが生えやすいので注意する。
旬の時期
10, 11月
和名ひらがな かき
和名カタカナ カキ
英名 persimmon
仏名 kaki
伊名 cachi
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